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「三代目のブランド承継」

上越市保倉区の農家久保田喜隆氏

ある日の夕暮れ時。きゅうりの袋詰めを行う作業所を訪ねた。

「今年の夏は暑すぎましたよ~」と笑顔で迎えてくれた久保田喜隆さん。下五貫野の交差点が目印で上越市内ではトマトが美味しいと有名な農園の三代目だ。あえて「農家」と呼ばせていただくに相応しい60年の生産事業は軒先販売の顧客数だけを聞いても驚く。地域にはかかせない老舗商店のような農園を経営している。一家で支える3ヘクタールの面積は気持ちが良いほど美しく整備されていて、訪れたひとはその風情に歴史を重んじる作り手の精神を感じる事ができる。主にトマト、きゅうり、ナスなどの露地野菜を七人の職員で生産している久保田農園は名実ともに若手にとって憧れの存在なのである。

そんな野菜ブランドを担う彼が想う「これからの生産者」は、ほどよい緊張感を持つことが大切だという。定期的に卸しているレストランでは、ファンの方にいただく評価がSNSで必ず生産者側に返ってくる。ただ作って売る時代じゃない。農業は自由に楽しむ事ができる業種で、それを若手にも感じて仕事を続けて欲しいが、拡がるSNSの時代を生きる人々の食卓を想像して緊張し「美味しい!」を画面でみれる時代だからだ。モチベーションを上げる事や時には反省する事もできる。この一つ一つへの緊張感が一歩に繋がる。

今年42歳(取材当時)。若手に寄り添うリーダー的視点も未来を語る展望も名実ともに地域1番たる由縁である。是非夕暮れ時の常連になりたい。